アマルガム充填

こんにちは。院長の相澤です。

歯科に関する知識、僕の第一回目は、『アマルガム充填』についてです。
なるべくわかりやすく、説明していくことを心がけますので、よろしくお願いします。

今月上旬、毎年恒例ではありますが仙台で「東北デンタルショー」が開催されました。
最新の歯科治療機器や材料の展示会です。
どんどん材料も良くなり、便利で性能の良い機械が登場し、医療の発展を実感します。

という前置きのもと・・・

アマルガムとは、20年ほど前まで歯科治療で一般的に使われていた銀歯です。
なかなか一般的には耳にする機会のある言葉ではないと思います。
今は日本では歯科治療に使われることはなくなりました。
僕世代(40歳前後)の歯科医師は、ギリギリですが学生時代に実習でどのような治療か、経験しています。
経験しているだけで、実際に患者さんの治療で使ったことはありません。

アマルガムとは水銀と金属の合金の総称です。
簡単に説明すると、水銀と金属(銀、錫、銅など)を機械を使ってしっかり混ぜ合わせたものを、虫歯を取りきった歯の穴の部分に詰めるのです。
虫歯の穴に材料を詰めることを、『充填』と言います。
最初は柔らかいのですが、24時間ほどでしっかり固まります。
奥歯の比較的小さな虫歯の治療に使われることが多かったようです。

20年以上前に奥歯を治療したことのある方の中には残っていることがあります。
僕自身も、大学5年生まで口の中にありました。
お互いの治療をする実習で除去しましたが・・・。
酸化しているので、艶はなく黒っぽく見える金属です。
下の奥歯だと鏡を使って見えるかもしれませんね。
20年以上前に行われた治療なのに、患者さんのお口の中で見かけることは意外と多いです。
そうです、治療の経過は意外と良好なのです。

ただ、水銀という材料の安全性が問題視され使われなくなりました。
水銀の毒性であったり、その残った材料の処分の難しさ、環境への配慮などです。
もちろん、金属ということで、見た目の問題もあります。
今現在は小さな虫歯であれば強度、耐久性のよくなったプラスチックの材料で同様の治療ができますので。

僕自身の考えではありますが、特に問題がなければ積極的に外して詰め替える必要はないと考えます。
ただ、詰め物が外れかけていたり、隙間から虫歯になっていたり。
また、金属アレルギーの方で、歯科金属からの可能性が強い場合などは積極的に外すこともあります。

その際、僕は歯科治療の歴史、先輩歯科医師の姿をなんとなく思い浮かべながら除去しています。