口腔粘膜疾患

こんにちは、院長の中川です。

暑さも落ち着き、涼しい日々が続いていますが、いかがお過ごしですが?秋の味覚もおおく出回ってきましたね。みなさんは、なにがお好みですが?僕は、梨が大好きなので、最近はよく見かけるようになったので、嬉しいです。

 

今回は、口腔粘膜疾患についてお話をさせていただきます。

口腔は全身の鏡とも言われており、とくに口腔粘膜には全身疾患の一症状として、全身状態を反映してさまざまな病態を生じます。単純に、口腔内の診察だけでなく、背景にある全身疾患や全身状態への理解が、診断や治療においてたいへん重要になってきます。

いくつか疾患をあげて説明をしていきます。

 

1. 口腔カンジダ症

① 口腔カンジダ症の発症

口腔カンジダ症は、全身的および口腔局所的な原因があわさり発症します。全身的な要因としては、高齢、ALD低下、病中・病後、がん治療、糖尿病、副腎皮質ステロイド・免疫抑制剤・抗がん剤等の使用、抗菌薬の長期使用などが上げられます。局所的な要因としては、口腔粘膜の損傷、義歯の使用、口腔乾燥症 (唾液分泌低下)、口腔粘膜炎(放射線、抗がん剤治療)、口腔環境の悪化などが挙げられます。

② 口腔カンジダ症の症状と病態

自覚症状として、熱や食品などの刺激によるぴりぴり感や疼痛が代表的で、味覚障害が生じることもあります。他覚症状としては、拭って取れる粘膜の白苔が最も多く、ほかに発赤やびらん、潰瘍をともなうタイプもあります。口腔カンジダ症には、頬粘膜、口蓋、舌背部を中心に、白色の苔状物が点状にみられる偽膜性カンジダ症と、硬口蓋や舌、歯肉などに暗赤色の紅斑やびらんを形成する萎縮性カンジダ症があります。また、まれですが、拭ってもとれない肥厚性カンジダ症もあります。

③ 口腔カンジダ症の診断・治療

口腔カンジダ症発症の誘因と、カンジダ症特有の自他症状(疼痛、発赤、白苔、びらん、潰瘍)を有する場合は、口腔カンジダ症と臨床診断できます。確定診断には、擦過して培養することで、カンジダを確認します。

治療としては、抗真菌薬の投与を行います。ミコナゾールゲルは、ゲル状で、口腔粘膜に塗布することが多いです。アムホテリシンBシロップは、内服せずに含嗽してもちいることがおおいです。イトラコナゾールシロップは、他の2剤に比べて、すぐれた血中移行を示します。反対に、アムホテリシンBシロップは、ほとんど血中移行しないため、ほぼ副作用がないとされています。

 

他の疾患については、後日述べたいと思います。