観血処置後の管理について 1

こんにちは、院長の中川です。
連日の猛暑で、体調を崩されているかたもいらっしゃるのではないでしょうか?

うちの3歳になる息子が、恐竜にたいへんはまっていまして、先日、恐竜どうぶつ園という催し物に行ってきました。恐竜のパペットをつかった演劇で、沢山の親子づれでにぎわっていました。オーストラリアがスタートとのことで、ちょっと大味なパペットでしたが、スケールはかなり大きく、息子は大満足しておりました!
暑い日が続いていますので、屋内でのイベントもなかなか良いものですね!

さて、今回は、観血処置後の管理についてお話をさせていただきます。

観血処置とは、出血を伴う処置のことで、特に歯科医院では抜歯処置が多いです。そのほかにも、歯根のう胞摘出術などの硬組織処置や、粘液のう胞摘出術などの軟組織処置、つまり主に外科処置のことをさします。この観血処置における有害事象、疼痛・感染・出血について話を進めていきます。

まず疼痛管理ですが、鎮痛剤としてロキソプロフェンナトリウム(通称 ロキソニン)や、ジクロフェナクナトリウム(通称 ボルタレン)などの非ステロイド性坑炎症薬(NSAIDs)が一般的に選択されます。
痛みを抑える効果は抜群に優れますが、一方で胃腸障害や腎機能障害、血小板機能抑制、アスピリン喘息、ニューキノロン系抗菌薬との併用による痙攣誘発といった有害事象が挙げられるので、注意が必要です。

一方、アセトアミノフェン(通称 カロナール)は、NSAIDsより抗炎症作用は弱いものの、副作用が少なく、安全性の高さから世界的に第一選択薬になっています。

これまでは、わが国で、アセトアミノフェンの最大使用量は1回300~500mg、1日900~1500mgと、諸外国に比べて比較的少なく、十分な鎮痛効果を得ることは難しかったのですが、2011年からは諸外国と同等の使用量(1回1000mg、1日~4000mg)まで拡大されました。アセトアミノフェン1000mgの投与で、ロキソプロフェンナトリウム60mgに匹敵する鎮痛効果があるとされています。アセトアミノフェンを投与する際には、充分量を考慮した用法が望ましく思います。

今回は、疼痛管理についてお話しましたが、次回は、感染防止と止血管理についてお話をしていきます。

なにか不明な点がございましたら、気軽にご質問ください。