むし歯の予防について

こんにちは。院長の中川です。

先日、娘の2才の誕生日会を行いました。あっという間に2才になり、いまでは、なかなかのいやいや気に突入中です。

娘の乳歯は現在16本と、むし歯もなく、なんでもバリバリ食べています。

 

そこで、今回はむし歯の予防についてお話をさせていただきます。

 

みなさんの歯の表面では、つねにダイナミックな変化が起きています。

主食・間食でとる飲食物は、口腔内に常在する細菌のえさになり、細菌はその糖分を分解して酸を産出し、歯の表面のミネラル分を溶かします。これを脱灰といいます。また、細菌にとって快適な場所とするために塗り壁(代謝産物の多糖体)を厚くして、歯の表面に歯垢(プラーク)をつくります。その結果、むし歯ができたり、むし歯の進行をうながすことにつながります。

一方、プラークや唾液には、細菌によってできた酸を中和する作用があります。これを、緩衝作用といいます。また、溶け出したミネラル分を元にもどす作用があります。これを、再石灰化作用といいます。つまり、歯の表面では、脱灰と再石灰化がシーソーのように常に繰り返されています。普段は、バランスが取れていますが、甘いものを取ると脱灰が起こります。フッ素はこのバランスに欠かせない有益な元素としてはたらき、歯の表面に適量のフッ素が存在すれば、脱灰よりも再石灰化が優勢にはたらくことになります。

したがって、むし歯予防のキーワードは、再石灰化ということになります。適量のフッ素の存在によって脱灰を可能な限りおさえ、十分に再石灰化ができるような歯と口の環境をつくることが大切になります。

歯の健康を保つためには、①口の中の細菌、②糖分などの飲食物の取り方、③歯や唾液の条件、さらに、④時間を総合的にコントロールする必要があります。①は、プラークコントロールでむし歯原因菌を抑制します。②は、シュガーコントロールで、糖分の摂取量をおさえます。そして③は、フッ化物の応用や、シーラント処置をすることで、歯質の強化をはかります。④の時間の因子とは、飲食物を取る時間、プラークが成長する時間、歯の結晶構造ができあがるまでの時間をいいます。

一生涯にわたり健康な歯と口の育成のためには、幼児期かた高校生の時期までむし歯のない状態を維持することが大切です。健康な身体をつくる食生活をはぐくむためにも、栄養をとる器官である口の健康を保つ事が必要です。