歯の健康づくりのために

院長の中川です。

そろそろクリスマスを意識する季節になりました。

先日、一足早くクリスマスプレゼントの下見をしてきました。娘のプレゼント用にシルバニアファミリーをみていたのですが、なんと、歯医者セットなるものがありました! 追加でくわえるかどうか、妻と相談中です。

 

さて、前回の流れで、今回は歯の健康づくりのために必要な、歯の周りの要因についてお話を進めていきます。

歯の周りには、歯をおおって保護する唾液や、歯に付着している歯垢(プラーク)があります。歯垢の80%以上が細菌で、みなさんの口の中で共生しています。むし歯のできやすい食生活習慣は、以下の項目があげられます。

① 甘いものは、摂る量よりも回数に影響をうける

② 食事中に甘いものを摂るよりも、食事と食事の間に摂った方が影響を受ける

③ 就寝前に摂る方が影響を受ける

④ 甘いものの濃度が高いほど影響を受ける

⑤ 口腔内に甘いものが停滞する時間が長いほど影響を受ける

食事のあとには、細菌が酸をつくります。その酸によってpH値が下がります。しかし、唾液によって酸が緩衝されてもとのpH値にだんだん戻っていくカーブをステファンカーブといいます。唾液によってpH値が回復しようとしているところで、何かを食べてしまうとまたpH値がすぐに下がってしまいます。pH値が上がったところで、食事をとるようにすれば、唾液による再石灰化で、むし歯になりにくくなります。

唾液は、むし歯に、なりにくくする役割を持っています。そのために、唾液の分泌が大切です。口の中には3つの唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)があり、さらに小さな小唾液腺が無数あります。これらから1日に約1.5Lの唾液を分泌し、歯や口の中を潤わせます。

唾液の働きとして、

① 歯の石灰化作用(エナメル質の成熟作用);生えたてのエナメル質のアパタイト結晶は弱く、唾液に含まれるカルシウムやリン酸によって結晶性が良くなります。

② 歯の再石灰化作用;酸により脱灰した歯の表面は、唾液中のカルシウムやリン酸を再び取り込みます。

③ 緩衝作用;細菌がつくる酸を中和する能力があります。

④ 抗菌作用;細菌の発育を抑制したり、殺菌する作用があります。

⑤ 歯の保護作用;唾液中の糖タンパク由来の膜が、歯をおおい、保護します。

⑥ 希釈・洗浄作用;口腔内を洗い流したり、細菌の排除を促す作用があります。

このように、唾液は歯の健康を維持するのに、非常に重要な役割をになっているのです。