こんにちは。院長の中川です。
先日、娘の靴を2人で買いに行きました。最近ちょっと走りにくそうだなって感じて、少し窮屈そうだったし、旅行前なのでいいかなってことで買うことにしました。なかなか2人で買い物行かないので、少し不思議な感じでした。
さて、前回の続きで、まずは唾液の減少による影響についておはなしをします。
唾液の量が減ると、お口の乾燥感やねばつき、話しづらさ、乾いた食べ物の噛みづらさなどを感じます。とはいえ、自分のお口の中が乾燥状態にあるかどうか、いまいち分からないという方もいらっしゃるかもしれません。下記に示すような異変は口腔乾燥のサインです。
・ 水がないと食べ物が食べれない
・ 口の中がカラカラする
・ くちびるが乾く
・ 話しづらい
・ くちびるや口角が切れやすい
・ 水をつねに持ち歩く
・ 口内炎ができやすい
・ 舌がひりひりする
・ 口の中がネバネバする
・ 目も乾く
・ 舌に溝がある
・ 舌が乾燥している
これらを日常的に感じるようでしたら、一度歯科医院を受診することをすすめます。
唾液の量が減ると、お口の中の自浄作用が少なくなり、いつまでも食べ物がお口の中にたまってしまいます。また、飲食物によって下がったpH値がなかなか元に戻らなくなり、歯の表面のカルシウムが溶け出す 「エナメル質の脱灰」が進んでしまいます。さらに、唾液に含まれる抗菌物質やタンパク質の量の減少、歯を保護するペリクルも形成されにくくなることで、お口の中が菌に弱い環境になってしまいます。このように、唾液の減少によってさまざまな作用が弱まるため、むし歯や歯周病のリスクが高くなるのです。
唾液は、自律神経からの指令で唾液腺に伝わり、血液を元につくられます。ですから、唾液が少なくなる原因は、自律神経の問題、唾液腺の問題、血液の量の問題など、さまざまで、1つだけではない場合もあります。また、薬の副作用でお口の渇きがみられる場合もあります。下に、原因と具体的な疾患を挙げてみました。
① 唾液腺の損傷; シェーグレン症候群、唾液腺に近い部位の悪性腫瘍への放射線療法、唾液腺疾患(唾石症、唾液腺腫瘍など)
② 自律神経の乱れ; ストレス、精神疾患、更年期障害
③ 自律神経から唾液腺への指令の障害; 薬の副作用
④ 血液の運搬の障害、血液や体液の減少;糖尿病、甲状腺機能障害、腎疾患、薬の副作用
原因の特定には、唾液量の測定、唾液腺の画像診断、血液検査などさまざまな検査が必要です。
次回は唾液を増やす方法についてお話をします。