酸蝕歯について

こんにちは、院長の中川です。

正月休み、みなさまはどの様のお過ごしでしたでしょうか?

我が家では、初めてボーリングに挑戦してみました。今のボーリング場は、ガーターレーンを閉じてできたり、また小さなお子様用にボーリング玉を投げなくても転がせる台があったりと、3歳のむすめまで楽しめるようになっていました。2人のこどもも大はしゃぎで、家族全員でボーリングを満喫しました!! 少し頑張りすぎて、翌日は見事に筋肉痛に悩まされましたが・・・・・

さて、今回は酸蝕歯についてお話をしてまいります。

酸蝕歯とは、食べ物や飲み物に含まれる酸によって歯が溶けてしまった状態です。

まずは酸蝕歯になる仕組みと、むし歯との違いから説明してまいります。

歯は、カルシウムやリンなどのミネラル成分でできてて、酸にふれると化学反応が起こり分解されて溶けてしまいます。むし歯は、むし歯菌が出す酸によって歯が溶ける病気で、歯のみぞや歯と歯の間など、汚れがたまりやすい場所から歯が溶け始めます。ですので、むし歯のできる範囲は限られてきます。

それに対して、酸性の食べ物や飲み物がお口の中に入ってきて、繰り返し歯と接触をすることで溶け始める現象を 【 歯の酸蝕 】と、いいます。酸蝕によって病的の溶けてしまった歯を 【 酸蝕歯 】 と、呼んでいます。飲食物はお口の中全体に行きわたりますから、広範囲の歯に被害が拡大します。歯が溶ける原因は、むし歯の出す酸だけでなく、身近な市販の酸性飲食物でも、その食べ方・飲み方次第では歯が溶けます。この場合、酸性飲食物を摂った直後の歯の表面は軟らかくなっています。また、持続性の嘔吐がある場合でも、胃酸の影響で歯が溶けます。

酸性飲食物を飲んだり食べたりしても、すぐに歯が溶けずに済んでいるのは、唾液が歯を補修し続けているからです。唾液の洗浄作用により酸が洗い流され、また緩衝作用により口腔内が中和され、さらには唾液に含まれるミネラル成分によりエナメル質が補修されて、溶ける+補修する、というバランスが保たれることで歯の健康は維持されています。

また、逆流性胃食道疾患など内因性酸蝕歯では、この唾液の作用が、歯だけでなく胃食道にまでおよぶことで、外部から届きづらい部位にクリアランス向上に重要な役割をになっています。

次回は、酸蝕歯の症状や原因、その対策についてお話をしてまいります。