唾液について

こんにちは。院長の中川です。

先日の休みの日、がんばって庭に花壇を作ってみました。以前より、妻がハーブを育てる花壇が欲しい、との要望があったのでがんばってみました!約100×200cmの幅で穴を掘って、レンガを並べて、腐葉土を入れる、といったシンプルな工程でしたが、これがかなりの重労働!粘土質の土壌でスコップが入らず、頼みの備中グワでも歯が立たず、つるはしをホームセンターに再度買いにいくはめに・・・。雑草を取り除くため、深さを30cmほど掘ってはみたものの、なれないがために掘っては休み、掘っては休みの繰り返しでした。作業時間は2時間程度でしたが、その後はほぼ何もできない状況・・・次の日は全身筋肉痛!良い運動とは思いますが、イメージ以上の重労働でした。なにごとも、やってみないとわからない事だらけですね!

今回は、唾液についてお話をしていきたいと思います。

唾液は、歯と口腔粘膜を絶えず潤す腺の分泌液です。耳下腺、顎下腺、舌下腺からなる三つの大唾液腺(各左右にあり一対である)と小唾液腺からの分泌液と、歯肉溝滲出液によってなります。

健康な口腔組織を保つためには、唾液の存在は不可欠です。唾液の分泌が低下しすぎると、急速に口腔の健康が損なわれるのみならず、QOLにも悪影響を及ぼします。口腔乾燥によって、咀嚼や嚥下、会話、義歯の維持、口腔衛生などが困難になり、味覚の変化や口腔粘膜の外傷の潰瘍化、粘膜の灼熱感、進行の早いう蝕など、さまざまなもんだいが起こってきます。

高齢者が多い先進諸国においては、口腔乾燥症はますます頻繁にみられるようになってきています。というのも、高齢者は一般に多種類の薬剤を服用している事が多く、処方された薬の多くが唾液分泌の低下を引き起こす副作用をもっているからです。また、頻度が稀とはいえないシェーグレン症候群でも口腔乾燥が診られます。

唾液腺の特異的疾患に加えて、小児や成人のがん治療における頭頚部への放射線治療によっても、唾液分泌はひどく損なわれることがわかっています。口腔の健康における唾液とその役割を理解することは、色々な問題の予防と治療についての認識を促す助けになります。

次回以降からは、唾液の機能、唾液腺の解剖と組織、唾液成分の生理、唾液の組成、診断のための唾液の応用、そしてう蝕のリスク診断における役割等についてお話をしてまいります。