唾液分泌のメカニズム

こんにちは。院長の中川です。

今年は、コロナウイルス感染対策のため、夏休み中は全く出かけることができませんでした。そこで毎朝・毎夕、息子とともにカブトムシ、クワガタムシをつかまえに、近所の山へ昆虫採集に!しかしいるのは、カナブンばかり・・・。梅雨の長雨と、夏の猛暑の影響か全く採取することができず。そこで、近所の知り合いが蔵王山中で働いているとのことで、クワガタムシを捕まえて息子にプレゼントしていただきました!ちょっと小ぶりではありますが、オス・メス数匹をいただき、早速飼育することに。カブトムシと違い、クワガタムシは冬眠をして、越冬をすることもあるとのこと。大切に育てていきたいと思います。

今回は、唾液分泌のメカニズムについて簡単にお話しをすすめていきます。

唾液分泌のメカニズムを理解するカギは、分泌過程の個々の要素を明らかにし、そのうえで各要素がどのように組み立てられているかを視覚化して示すことにあります。分泌機構の理解が難しいのは、厚生要素の数が多く、その組み立てが一筋縄ではいかないためです。

唾液分泌とは、「水、電解質、および高分子物質が、適当な分泌刺激に応答し、唾液となるため一定の方向に移動すること」 と、定義さています。この簡潔な記述のなかに、分泌過程の大部分と、分泌生理学の研究対象の中で、現在最も重要で注目されている分野が網羅されています。この定義の中でキーワードは、分泌刺激、水、電解質、高分子物質、一方向性です。

分泌刺激には、味覚のような唾液分泌を刺激する神経系のメカニズムと、個々の腺房細胞の内部で、神経からの情報伝達が分泌装置まで伝えられる過程が含まれています。

水、電解質、高分子物質は、それぞれ性質の全く異なる唾液成分です。唾液に固有の潤滑性と抗菌活性の大部分は、たんぱく質に由来します。電解質は、酸に対する緩衝能や再石灰化能を唾液に付与します。また、唾液の溶媒である水は、口腔内の物質を希釈し、洗い流す働きを持ちます。

細胞を横断して、水、電解質、高分子物質を一方的に移動させるには、細胞の一方の端に他の端とは異なった働きをさせる必要があります。分泌機能を持つ腺房細胞の一方の端は、他の端とは明らかに異なってみえます。このような細胞の極性は、形態の違いほどにはめだちませんが、分泌調整をはじめとして細胞機能のあらゆる面に及んでいます。