抜歯後のトラブル ②

こんにちは、院長の中川です。

最近、めっきり寒くなりましたね。朝起きるのは、僕が一番早いのですが、部屋のエアコンをつけにいくのが正直しんどいです。タイマーセットに切り替えようとおもいます。

前回に続いて、今回も抜歯後のトラブルについてお話をします。

まず、ドライソケットについて。ドライソケットとは、抜歯かの骨面が感染を伴った表在性壊死におちいった状態で、長期にわたって血餅で満たされず、骨の露出と強い疼痛が持続した状態のことをいいます。このドライソケットを事前に予測することは非常に難しく、起こってしまってからの対処が重要になってきます。まずは痛みをいかに迅速に緩和できるかが重要です。感染症であるので、抗菌薬やNSAIDsの内服投与が有効と考えられます。また、生理食塩水で抜歯かを充分に洗浄した後、抗菌薬とステロイドホルモン含有の軟膏に表面麻酔剤を混和したペースト状のものを抜歯かに填入する局所的な対応のほうが、除痛効果が高いことが多いです。

また、ドライソケットに対する外科的な対処法として、露出した骨面を切削し、再出血させることで血餅を再度形成させる処置もあります。しかし、感染創への外科処置はかえって治癒を遅らせるリスクもあるので、賛否両論です。

つぎに後出血ですが、原因として全身的要因と、局所的要因があります。まずは、患者さんのバイタルサインと全身疾患の有無を確認します。

全身的要因として、血圧の上昇が上げられます。痛みを訴えている場合は、まず局所麻酔を施し、除痛が計れた時点で再度血圧を確認します。収縮期血圧が160mmHg以下であれば、ほとんどの場合、ガーゼ圧迫のみで止血できます。しかし、止血困難な場合は、抜歯かに止血剤を填入し縫合処置をおこないます。収縮期血圧が180mmHg以上で止血が困難なときは、降圧剤を使用することもあります。

抗血栓療法を受けている患者さんのときは、普通抜歯であれば、原則、抗血小板薬および抗凝固剤は休薬せずに行います。後出血を起こさないように、抜歯かに止血剤をいれ、創縁を頬舌的に寄せるように縫合します。

次に、血液疾患ですが、皮膚の紫斑や便の黒色有無を確認します。血液検査(白血球数、赤血球数、血小板数、出血時間、全血凝固時間など)で異常を認め、白血病や特発性血小板減少性紫斑病、血友病などが疑われた際は、すぐに血液内科を受診するようにすすめます。

つぎに、局所的な要因ですが、抜歯かの肉芽の残存が原因としておおいので、徹底的に除去します。

 

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