歯肉縁上歯石と歯肉縁下歯石

こんにちは。院長の中川です。

先日、秋田県横手市に家族で遊びに出かけました。夜に出発して朝から恐竜博に行く予定でしたが、朝起きてみると前日まで雪が無かったのに、一面銀世界!一晩で20センチほど雪が積もっていました。恐るべし、秋田!

今回も歯石についてお話をしてまいります。

プラークに歯肉縁上プラークと、歯肉縁下プラークがあるように、歯石にも2種類、歯肉縁上歯石と歯肉縁下歯石があります。

歯ぐきより上の歯の部分(歯冠側)にあり、外から確認できるのが歯肉縁上歯石、歯周ポケットの奥深くにある歯の根っこ(歯根側)、つまり外から確認できないのが歯肉縁下歯石です。

歯肉縁上歯石は、黄白色をしており、成長すると数本の歯にまたがって形成され、大きな固まりとなります。歯肉縁上歯石は歯とのくっつく力が弱く、スケーリングによって簡単除去できます。

一方、歯肉縁下歯石は、褐色や暗褐色のものが多く、強く石灰化していて非常に硬いのが特徴です。歯肉縁下歯石は歯のセメント質にがっちりくっついているので、簡単には除去できません。

さて、歯周ポケット内に歯石が残っている、ということは、すなわち歯周ポケット内に大量のプラークがあるということです。歯周ポケット内に大量のプラークがあると、プラーク内の細菌が繰り返し繰り返し歯周組織を刺激します。これによって下記のような歯周組織の炎症の連鎖反応が起こります。

① 血管透過性が高くなる(血管透過性亢進)

② 滲出が止まらない(血液中の成分が血管の外に漏れ続ける)

③ 歯肉が腫れる

④ 血管の外に出た好中球・マクロファージが活発に働く

⑤ 炎症が激しくなる

⑥ 免疫応答が強くなる

⑦ 組織が破壊される

⑧ 組織が壊死する

(①にもどる)

このように、炎症はドミノ倒しのように次から次へと連鎖的におこりますので、これをとめるために、原因となプラーク、そしてそのすみかとなる歯石の除去が重要となってきます。

数回にわたり、歯肉炎・歯周炎とプラーク、歯石の関係についてお話をさせいただきました。

プラークコントロールの重要性が色々なところで言われておりますが、口腔内の場所によってもコントロールしやすいところと、しにくいところがあります。また、歯石はハブラシでは除去できませんので、ブラッシング指導を含め、定期的な歯肉のメンテナンスが重要と思われます。

とくに歯が痛くなくても、定期的に歯科医院の受診をお勧めします。