唾液の役割

こんにちは。院長の中川です。

先日、息子の幼稚園で神社奉納の儀がありました。神輿を引いて、幼稚園の近くを廻って神社に奉納する、というものですが、昨年の年少のときは前日の風邪で参加できませんできた。今年は体調良好、大人が歩いても少し疲れる距離を一生懸命引いている姿に成長を感じ、感動してしていた日曜日でした。

さて、今回は唾液についてお話をさせていただきます。

唾液は、1日に1~1.5リットルも分泌されるといわれております。唾液には、お口の粘膜の保護などさまざまなはたらきがあり、お口や歯をはじめ、私たちのからだ全体を守っています。

唾液は主に3大唾液腺、すなわち耳下腺、顎下腺、舌下腺でつくられます。

耳下腺はもっとも大きい唾液腺で、唾液の分泌量は2番目に多いです。おもにさらさらとしたしょう液性の唾液を分泌します。

顎下線は2番目に大きな唾液腺です。唾液の分泌量がもっとも多く、しょう液性の唾液と粘液性の唾液を分泌します。

舌下腺はサイズも分泌量も一番少ないです。しょう液性よりも、粘液性の唾液を多く分泌します。

ちなみに、しょう液性の唾液はさらさらしており、アミラーゼを多く含みます。粘液性の唾液は、ムチンを多く含むため、ねばねばしております。

唾液の働きとしてまず挙げられるのは、歯ぐきや舌などの粘膜を保護して傷つかないようにする、「潤滑作用」です。食べたりしゃべったりするのをスムーズにしているはたらきです。また、食物に含まれるデンプンを糖にかえる、「消化作用」も良く知られており、ご飯をよく噛むと甘くなるのはこのためです。さらに、怪我をしたらつばをつけておけば治る、といわれるのも、唾液に「抗菌作用」があるからです。

食べかすを洗い流してお口に残るのを防ぐ「洗浄作用」や、お口の中の酸性度(pH値)を正常に保って歯が溶けるのを防ぐ「緩衝作用」、唾液に含まれるタンパク質で細菌を集める「凝集作用」、最近をお口の中から排出する作用など、虫歯や歯周病から歯を守るはたらきもたくさんあります。

また、唾液内の糖タンパクにより歯の表面に形成されるペリクルは、歯を保護します。さらに、ペリクルはお口の粘膜を修復する成分も含んでおり、傷を治す作用もあります。

さて、最近お口の渇きが問題視されています。その大きな要因として、唾液の分泌低下が指摘されています。

次回は、唾液の減少による影響と、その原因についてお話をしていきたいと思います。