歯周病と全身疾患について

こんにちは。院長の中川です。

この夏、映画館にあしを運ばれたかたもいらっしゃると思います。僕は、こども2人と近所の映画館へ、リュウソウジャーを見に行きました。朝の8時30分からの公演で、なかなか2人を連れての映画鑑賞は大変でしたが、夏休みの良い思い出です。

今回のお話は、歯周病と全身疾患との関係についてすすめてまいります。

歯周病と全身疾患につていは、「 歯周病とからだ全体に関係があるということは、はっきりとわかっている 」と、言う事ができます。しかし、個々の疾患と歯周病との関係性については、はっきり分かったいるものとそうでないものがあります。また、疾患や歯周病の重症度、患者さんの年齢・生活習慣・体質によっても異なります。

ここでは、全身疾患と歯周病との関係性がすこしわかっているものについてお話していきます。

まずは、糖尿病との関係性からお話をします。

糖尿病とは、インスリンの作用が低下して、血液中のブドウ糖が多くなった(血糖値が高くなった)状態が続く病気で、1型と2型に分けられます。唾液が減ったり、血液の流れが悪くなったり、免疫力が弱くなったりします。

インスリンが効きにくくなり、血糖値日高い状態が続くと、糖化したタンパク質が増加して炎症を促進します。また、白血球の機能が低下して免疫力が低下するため、歯周組織を構成する細胞にも機能異常が起こります。糖尿病のひとが歯周病に羅患しやすく、悪化しやすく、治癒しにくいのは、こうした仕組みです。

一方、歯周病になると歯周病巣でマクロファージなどが活性化します。マクロファージが歯周病菌を貪食すると、TNF-αなどの炎症性物質を産出します。炎症性物質や歯周病原菌のもつ内毒素が、インスリンのはたらきを阻害すると考えられています。

動物実験の結果、歯周病が原因で糖尿病にかかりやすくなったり、糖尿病を悪化させたりするようなことがあるとわかっています。

糖尿病と歯周病の両方にかかっているかたが多いのは本当です。しかし、どちらが原因でどちらが結果なのかは、はっきりわかりません。歯周病の人はその後、糖尿病になることが多いのか、歯周病を治療して歯ぐきの状態が良くなったときには糖尿病も良くなるのか、調べる必要があります。そのような調査が世界中でも日本でも盛んに行われていますので、近い将来、もっとはっきりとしたことがわかると思います。