ホワイトニングについて 4

こんにちは。院長の中川です。

今回は、ホワイトニング後の知覚過敏についてお話をしていきます。

ホワイトニングをすると、「歯がしみる」などの知覚過敏症状が現れますが、これには、歯面を覆っているペリクルが関係してきます。ホワイトニングは歯面を覆うペリクルを一時的に除去し、変色の原因物質を白くしていきます。

ペリクルは一時的には消失しますが、ホワイトニング後、約2時間するとふたたび形成され始めます。完全に形成されるまでには約24時間かかり、ホワイトニング後の知覚過敏は、このペリクルが形成されるまでに発生しやすくなるのです。また、ホワイトニング剤の濃度が濃いものを使用した場合や、歯質の厚みが薄い場合ももちろん、知覚過敏は発生しやすくなるようです。それでは、どのような対処方があるか診ていきます。

1 ようすをみる

ペリクルが形成され成熟するにつれ、その厚みは増していきます。それにしたがい知覚過敏は消失していきます。一般的にホームホワイトニング後の知覚過敏は4時間以内に消失、オフィスホワイトニング後の知覚過敏は24時間以内に消失する傾向にあります。

2 頻度を減らし、事前のケアを

ホームホワイトニングでは、毎日行っていたものを2日に1回、あるいは3日に1回にしてみたり、オフィスホワイトニングでは、しみる場所が事前に分かっている場合は歯肉保護レジンを用いてコーティングしたり、一日の施術回数を減らすのも効果的です。

3 再石灰化を促進させる

ホワイトニング後の知覚過敏は広汎性であることが多く、部位を特定しにくい場合があります。したがってマウストレーにフッ化物配合ジェルや知覚過敏抑制ジェル、CPP-ACP配合ペーストを塗布し、15~60分ほど保持して再石灰化を促進させるパッキングという方法があります。また、なかには知覚過敏抑制剤(硝酸カリウムなど)とフッ化物が両方配合された製品もあります。知覚過敏抑制剤は即効性があり、フッ化物やCPP-ACPは遅効性ですが、持続性があるのが特徴です。

4 ハイドロキシアパタイトの応用

歯と同じ成分であるハイドロキアパタイトの元となるリン酸4カルシウムや無水リン酸水素カルシウムを配合した抑制剤をエナメルクラック内に塗布す方法もあります。これらの物質は水分と反応し、約20~30分でハイドロキシアパタイトが生成されはじめ、硬化がはじまります。24時間後にはハイドロキシアパタイトが完全生成され、硬化物となります。