口腔機能と歯並び・かみ合わせとの関係

こんにちは、院長の中川です。

今年は特に暖冬で、ほとんど雪の降らない毎日ですね。冬になると、我が家では近くのスキー場にソリなどの雪遊びに行くのが恒例でしたが、今年はスキー場でも雪が少なく、子供たちもちょっと物足りないようです。通勤に支障がでないので恩恵はありますが、ここまで少ないと少し寂しさも感じますね。

今回、日常生活における口腔機能の大切な役割と、歯並びやかみ合わせなどとの関係性についてお話をしてまいります。

わたくしたちの口は、「食べる」「飲み込む」「話す」などをはじめ、日常生活を営むうえで大切な役割を担っています。その機能は、歯並びの良し悪しやかみ合わせとも深い関係があります。

口腔機能とは、お口が担っている役割のことで、このうちもっとも重要なのは「食べる」ことや「飲み込むこと」、「話す」ことです。つまり、「咀嚼」「嚥下」「発音」です。咀嚼や嚥下に問題があると、口から食べ物を取り入れる事が困難なるだけでなく、肺に食べ物が誤って入ってしまうことによって「誤嚥性肺炎」という生命にかかわる病気を起こすこともあります。また、発音に問題があると、ことばが通じにくいために自分の意思が相手に伝わりにくくなります。このように、口腔機能は日常生活を営むうえで大切な役割を担っています。

他にも、「呼吸をする」「感情を表す」「味を感じる」、唾液を分泌して「免疫や消化を助ける」、噛むことで「脳を刺激する」「身体の平衡感覚を保つ」なども、お口のもつ重要な役割です。これらの機能のうち1つでも問題が生じると、やはり日常生活に影響があります。

歯はくちびるや頬、舌などの筋肉に取り囲まれていて、外側からは口唇や頬が、内側からは舌が、それぞれ歯に圧力を与えていきます。たとえばいつも口唇が開き、舌が上下の歯の間からはみ出している状態では、その圧力が崩れて、歯並びやかみ合わせに影響が生じます。特に、前歯が咬まない状態(開咬)や歯と歯の間に隙間があるじ状態(空隙歯列)などの不正咬合は、口腔機能との関連性が深く、このような歯科と関連した口腔機能の問題は、口腔筋機能障害と呼ばれています。他に口腔機能の問題の要因として、食べる機能の発達不全、鼻疾患、口腔習癖、舌小帯短縮症、顎骨の形態異常、神経筋機構の病変なども挙げられます。

次回は、口腔機能の問題が与える影響と、その改善方法についてお話をさせていただきます。