こんにちは、院長の中川です。
幼稚園でならっているのか、5才の息子が字を書く練習をよくしています。先日、帰宅するとリビングのテーブルに息子からの手紙が。たどたどしいひらがなで、がんばってねのメッセージが!うれしさとともに、成長をかみ締める瞬間でした。
さて、前回に続き、MFT(口腔筋機能療法)の実際のレッスンについてお話をすすめてまいります。
MFTには、「個々の筋肉の訓練」「食べる(咀嚼)・飲み込む(嚥下)・発音の訓練」「くちびる(口唇)と舌の姿勢をよくする(姿勢位の)訓練」などがあります。
歯科医院で訓練したことを、ご家庭で毎日復習していただきます。
Ⅰ 個々の筋肉の訓練
舌、口唇など歯を支えている筋肉のそれぞれの機能改善を図り、全体的にバランスの取れた上体を目指す。筋肉の力を強めるだけでなく、緊張しすぎている筋肉をリラックスさせることも必要。
・ 口唇の訓練; 口唇を伸ばす訓練(リップル 下唇を指で押さえ、上唇を伸ばす)、口唇力の強化訓練、口唇の柔軟性を養う訓練など。
・ 舌の訓練; 舌の筋肉を鍛える訓練(ティップ 舌を尖らせてスティックを押す)、舌の挙上力や運動性を高める訓練(ミッドポイント 舌中央部に当てたスティックを押し上げる)(ポッピング 舌を口蓋に吸い上げて、ポンと音を立てる)など。
Ⅱ 咀嚼・嚥下・発音の訓練
普段から正しく筋肉を動かせるようにしていく。
・ 水を飲む訓練; スプレーで吹き入れた水を舌の力で正しく引き寄せて飲む訓練、コップから水を正しく飲む訓練など。
・ 食べる訓練; レーズンを奥歯で咀嚼する訓練、りんごやクラッカーなどの食材を唾液と混ぜて正しく食べられるようにする訓練、ガムを使用して咀嚼部位の違いによる筋肉の動きの変化について学ぶ訓練など。
Ⅲ 口唇と舌のの姿勢位の訓練
安静時にいつも口唇と舌が正しい位置にあることを目指す。
・ 姿勢位の訓練;ストローやコットンロールを使って普段の口唇や舌の位置が正しくなるように習慣つける訓練など。
低年齢児に対するレッスンのポイントは、
・ 簡単な訓練を選択
・ 日常生活の中で実行可能なもの(食事の際に口唇をとじて、奥歯でよく噛むことを意識させる、外から帰ってきたときのガラガラうがい、ブラッシング後のブクブクうがいを習慣づけるなど
を、目標にするとよいと思われます。
MFTを行うと、食べ方や飲み込み方、安静時および発音時の口唇と舌の位置など、お口と関連した筋肉の機能が改善され、歯列に加わる筋圧が適正化されます。それにより、良い歯並び・咬み合わせを安定させることに役立ちます。