唾液腺の解剖と組織

こんにちは。院長の中川です。

コロナウイルスの影響で、なかなか子供におもちゃを買ってあげる機会がなかったので、先日ひさびさにおもちゃコーナーで好きなものを買ってあげることにしました。

息子が選んだのは、大きなモササウルスのフィギア!なかなかの大きさで、質感も良く良いできです。子供たちが寝しずまったころに、こっそりと眺めているこのごろです。

さて、今回は唾液腺の解剖と組織についてお話をしてまいります。

唾液腺の発生ですが、全て類似した過程を経て発達します。上皮は口かから内部へと成長して、外胚葉性間葉組織内へ深く広がり、分岐して腺のすべての機能部位を形成します。さらに、周囲の外胚葉性間葉組織は分化し、腺の結合組織構成要素、すなわち被膜と腺を分葉する線維性中隔を形成します。こうした発達は、4~12週の初期の胎生の過程でおこります。初めに耳下腺から発達し、最後に舌下腺と小唾液腺が形成されます。

耳下腺は、くさび形をしていて、唾液腺のなかで最も大きいです。耳下腺の基底部は、筋膜様組織と耳下腺被膜によっておおわれ、顔面表層、耳の前方から下顎骨の枝の後方に位置しております。耳下腺には顔面神経の末梢枝が密接に絡んでいます。

耳下腺菅は、厚い壁で覆われ、腺の小葉を通る小導管の結合組織によって作られています。耳下腺菅は、耳下腺の前縁からでて咬筋の外側を通り、中央を横切って内側に曲がります。顎をかみしめて、咬筋上を指で触れるとこの彎曲部を触知する事ができます。ちなみに、耳下腺の分泌液はしょう液性です。

次に顎下腺ですが、大きさはさまざまで耳下腺のおおよそ半分です。顎下腺浅部は、下顎骨と口腔底を形成する顎舌骨筋の間に位置していて、くさび形を呈しています。また、顎舌骨筋の輪郭のくっきりした後縁の辺りで彎曲し、口腔底で顎舌骨筋上に走行し深部へと続きます。薄い菅壁に囲まれた顎下腺菅は、舌側面と顎舌骨筋の間を斜めに走ります。そして、舌前下部にある舌小帯側部の舌下小丘で口腔底に通じています。分泌液は、粘液性としょう液性の混成です。

舌下腺は、顎下腺の約1/5の大きさで、1対の大唾液腺の中で最も小さいです。舌下腺は、舌下ひだの下にあり、多数(8~20個)の小唾液腺菅が舌下ひだ上部で口腔に開口します。舌下腺は、主に粘液を分泌する腺です。

小唾液腺は、主に粘液を分泌する小さな粘液腺で、舌の側縁、口蓋の後方、頬粘膜、口唇粘膜に存在します。

次回は、唾液腺の構造と唾液の生成についてお話をいたします。