歯の健康と健康寿命

こんにちは!

受付の小野です。

今回は「歯」と「健康寿命」についてお話したいと思います。

◆健康寿命とは?
「健康寿命」とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことをいいます。
「死ぬまで健康でいたい」「元気なままで長寿を全うしたい」とは、だれもが持っている願いでしょう。

◆平均寿命と健康寿命は違う
平均寿命では世界でもトップクラスとされる日本人ですが、平均寿命と健康寿命にはどれくらいの差があるでしょうか?
(※直近の健康寿命として公表されているものが2016年時点のもの)

2016年の調査では、
日本人の平均寿命は男性が80.98歳、女性が87.14歳。
一方で、健康寿命は男性が72.14歳、女性が74.79歳となっています。
平均寿命と健康寿命の間には男性で8.84年、女性で12.35年の差があることがわかります。
これはあくまで平均値ですが、多くの高齢者は寿命が尽きるまでに、何らかの健康上の問題で日常生活が制限された期間を過ごしているのです。
健康寿命と平均寿命の差の約9〜12年間、多くの人は要介護状態になっています。
要介護状態になってしまう原因疾患としては脳卒中(脳血管疾患)が最も多く、次いで認知症、高齢による衰弱、関節疾患、骨折・転倒…といった順になっています。特に2番目の認知症は患者数が増加しており、その予防や対策は国民にとって大きな関心ごとの一つでしょう。

◆歯と健康寿命の関係
実は、歯の本数と健康寿命には関連性があることがわかっています。
2012年の調査では、歯が19本以下の人は、20本以上ある人と比較して1.2倍要介護認定を受けやすいという結果が出ています(成人の歯の本数は一般的に親知らずを除いて28本)。
つまり歯が多い人の方が要介護状態になる危険性が少ないということです。
また、歯が少なく、失った歯を補う治療(入れ歯やブリッジ、インプラントなど)を受けていない人は、歯が20歯以上残っている人や、歯を失っても治療によりかみ合わせが回復している人と比較して認知症の発症リスクが最大1.9倍になるという調査結果もあります。
さらに、歯が19本以下で失った歯を補う治療をしていない人は、歯が20本以上ある人と比較し、転倒するリスクが2.5倍になることもわかっています。
こうしてみてみると、自分の歯を出来るだけ多く残すことが、一生を健康で元気に過ごすための秘訣であることがわかります。
40代以上で歯を失う原因の多くは「歯周病」と「過去に治療した歯の悪化」です。
治療で削った歯は悪くなりやすく、歯周病はひどくなると治すことができません。
「悪くなったら治せばいいや」と考えていると、将来どんどん歯を失うことになってしまうかもしれません。
歯科医院で定期的に検診やクリーニングを受け、大切な歯を守りましょう(*^o^*)