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口腔乾燥症と唾液腺機能低下の臨床的意義

こんにちは。歯科医師の中川です。

先日、娘と本屋さんに行った際、絵本を一冊薦められました。幼稚園でも読んでいるとのことで、手を取って読んでみると、面白い!!テンポの良い流れと、最後はほっこりするストーリーに感激しました。ぜひ読んでみてください!!

今回は口腔乾燥症と唾液腺機能低下の臨床的意義についてお話をしてまいります。

① 歯のう蝕と侵食

唾液腺機能低下によって生じる最も一般的な口腔内の症状はう蝕の発生と再発です。唾液腺機能低下が持続した場合、唾液システムが機能しないために口腔内のpHを中性に維持すること、および飲食物の摂取後の微生物の増殖を抑制することができなくなります。それにより、う蝕関連細菌の集積およびエナメル質の脱灰が生じやすくなります。また、修復物の辺縁ではう蝕の再発が起こりやすい。唾液腺機能低下と関連した根面う蝕は特に診断と治療が難しく、そのため、患者のリスクの同定が歯の保存を判断する基準となります。

唾液量が不充分である場合、口腔内のpHが極度に酸性に保たれたときに歯の表面が化学的に溶解することにより、歯の侵食が亢進されます。再石灰化が不充分な場合、唾液腺の機能が低下している患者では歯の磨耗が起こりやすいです。歯頚部はハブラシによる磨耗が多く、侵食されやすいです。再石灰化を起こす唾液が不充分な場合には、磨耗および外傷的な力を受けた歯の咬合面や切縁もエナメル質と象牙質の喪失が大きくなります。

② 歯肉炎

飲食物摂取中および直後に唾液分泌速度が速くなることで、口腔内が洗浄され口腔表面から食物粒子が除かれます。反対に、唾液腺機能低下によって食物粒子が特に歯の隣接面と義歯表面下に残存しやすくなり、歯肉炎を引き起こします。長期間にわたる歯肉炎は歯周組織のアタッチメントロスを引き起こすため、慢性的に唾液の分泌速度が低下している患者では歯肉炎および歯周炎のリスクが高くなります。

健常者と比較して、シェーグレン症候群患者で歯周病が有意に重度とはいえないことを示す報告が多数存在します。これらは、シェーグレン症候群患者が口腔の健康により多くの注意を払い、専門的歯科治療を受ける頻度が高いためと考えられています。さらに、健常者と比較して唾液腺機能低下を示す患者で、う蝕関連細菌の数が有意に多いことを示すいくつかの報告はありますが、歯肉の炎症に関連する微生物は両者間で同程度であるという報告があります。したがって、唾液腺機能低下を示す患者における一次的な歯の問題はう蝕であり、歯肉炎・歯周炎はそれよりもリスクが低いと考えられます。

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