口腔乾燥症と唾液腺機能低下の管理 ③

こんにちは。歯科医師の中川です。

昨年引っ越した際にいただいたサボテンが、花を咲かせました!正直、サボテンを育てたことがなかったので、花をみたときには感動しました。特に手を加えたこともなかったので、これからはしっかりと育てていきます。

引きつづき、口腔乾燥症と唾液腺機能低下の管理についてお話をいたします。

・ 薬物の変更と停止

口腔乾燥と関連する処方薬の代わりとして、口腔乾燥の副作用がより少ない類似の薬物に変更することが望ましいと思われます。例として、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRIs)は三環系抗うつ薬よりも口腔乾燥を起こしにくいことが報告されています。日中に抗コリン作用を持つ薬物を服用できる場合には、唾液分泌速度は夜に最低になるため、夜間に起こる口腔乾燥を軽減することが可能となります。さらに、薬物量を分割できる場合には、大量の薬物を1回で投与したときに生じる副作用を避けることができます。薬物の副作用をよく知ることで、口腔乾燥症患者が服用している多くの薬物が有する口腔乾燥を起こす可能性を減らすことができます。

多剤併用は、複数の医療機関で同時に治療を受けている高齢者で一般的に起こる問題です。口腔乾燥を続発する薬物がすでに必要でないにもかかわらず、それらの薬物を患者が服用し続けることがあります。また、異なる医療機関から似た医学的症状に対して複数の薬物が処方されていることがあります。このような状態では、すべての薬物を再調査することを勧めます。おそらく口腔乾燥や唾液腺機能低下などの副作用を軽減するために、いくつかの薬物を変更したり、毎日の投与計画から削除することができるかもしれません。

・ 唾液の補充

人口唾液と潤滑材は、唾液が残存している患者および唾液腺がない患者における口腔乾燥のさまざまな徴候を回復するすることができます。これらの製品は、口腔乾燥を軽減し口腔の機能を改善する傾向にあります。これらの製品を選択する場合には、効果の期間、潤滑性、味、送達性(デリバリーシステム)、費用などが関係します。したがって、多くの患者はやはり主に水を使用しています。現在、Biotente(洗口剤、歯磨剤、チューインガム)、Saliva Orthana(ムチンベースの人口唾液)、Freedent(低粘性のシュガーフリーチューインガム)、Oralbalance gelなどいくつかの商品が処方箋なして購入が可能です。