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唾液とプラークpHコントロール ②

こんにちは。歯科医師の中川です。

息子も入学式が終わり、小学校へ。無事登校できるか心配で、休みの日は途中まで見送りです。

意外と足が速く、ちょっと朝から疲れ気味です。

引き続き、唾液とプラークpHについてお話をしてまいります。

③ プラークpHの低下

プラークpHの低下速度に影響を与える主な因子は、次の2つです。

・ 外部から供給され、急速に発酵する炭水化物の存在、通常は糖が存在すること。

・ 非刺激時唾液の緩衝能が低いこと。

プラークpHの低下は、主に乳酸の産生に関与するとされています。その際に、酢酸とプロピオン酸がプラークから消失します。これらの酸は、唾液に拡散し消失すると考えられてきましたが、歯質にも吸収される可能性が指摘されています。プラークpHの変化においては、pK(電解質解離度)が高い酸(酢酸など)に対するpKの低い酸(乳酸など)の量比が極めて重要です。pKの高い酸は、pKの低い酸から遊離した水素イオンを吸収できるために、プラーク中で緩衝作用を発揮します。したがって、酢酸が減少すると緩衝能が減少し、プラークpHは低下しやすくなると考えられます。酸によってエナメル質を侵す力が異なることから、酸そのものの持つ性質は重要と思われます。プラークpHが低下するにつれ、プラーク中のアミノ酸とアンモニアの濃度は急速に低下します。これは、プラーク細菌が炭水化物の発酵によって得られるエネルギーを用いて同化作用を促進し、アミノ酸やアンモニアを取り込み窒素源として利用したためと考えられています。

④ プラークpHの最低値

プラークpHの最低値とその最低値が持続する時間は、以下のような因子で決定されています。

・ 発酵性の炭水化物が口腔内に停留しているかどうか、そしてその炭水化物が、プラーク細菌によって代謝されることよりも、嚥下などによって口腔内から除去されるかどうかということ。

・ プラークpHが、細菌の酵素系が正常に機能しなくなる値まで低下すること。

・ プラークと唾液の緩衝能、特に刺激唾液の緩衝能。

プラークpHの最低値は、ステファンカーブで描かれるpH変化の中で、乳酸濃度が最も高くなるところに一致して生じ、酢酸、コハク酸、プロピオン酸、大部分のアミノ酸、そしてアンモニアの減少を伴います。

プラークpHがどれだけ長く最低値に留まるのかが重要である理由は、もしプラークpHの最低値がいわゆる「臨界pH」に達すると、唾液とプラークフルイド(プラーク中の液体成分)がエナメル質のミネラル成分に対し飽和ではなくなり、その結果、エナメル質が脱灰するからです。

 

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