ミネラル平衡における唾液の役割

新年あけましておめでとうございます。パーク歯科クリニック 院長の中川です。

今年は寅年です。と、いうことで娘がかいたとらの絵を載せてみたいと思います! 始めてとらを描いたとのことですが、なかなかの力作です!!

今回は、ミネラル平衡における唾液の役割についてお話をしてまいります。

 

う蝕予防における唾液の重要性は、唾液の機能が障害されたときに如実にわかります。

顎顔面領域への薬物療法や放射線照射の結果として唾液分泌が低下すると、歯は短期間のうちに完全に崩壊します。口腔乾燥症に起因するう蝕は、通常のう蝕とは異なり、歯の切縁や咬頭頂に多発します。これは、ときとして平滑面がそぎ落とされた状態をともなってエナメル質の全層におよぶことがあります。

1 唾液・ペリクル・プラーク

唾液は、直接的に歯に接触することはありません。粘膜や対咬歯の機械的な清掃効果でプラークが除去されるような部位でさえも、唾液由来の被膜(ペリクル)がエナメル質を覆っています。この唾液タンパクと脂質のペリクルは、歯面が完全に清掃された直後から形成され、ブラッシングや機械的清掃によっても除去されないほど強固に付着しています。ペリクルは、強い機械的あるいはたとえば口腔内での酸による化学的なダメージから歯をある程度ほど保護しています。

実験によると、ペリクルはう蝕の開始や歯が低pHのソフトドリンクに侵漬された際のエナメル質の溶解を遅延させることが示されています。ペリクルの存在する部位で、プラークは歯と唾液を分離する形成します。プラークは主として多糖体のマトリクス内の細菌で構成されます。細菌、プラークの液相(プラークフィールド)が大きく注目されていますが、これはその液が歯面に最も近接しているからです。う蝕や歯石の形成中に生じるようなミネラルの溶解や沈着の過程は、唾液の成分よりもプラークフィールドの成分によって方向付けられています。ただし、両社は相互に関連しています。

2 根面う蝕

歯の寿命の延長に伴い根面う蝕が注目されています。服薬や疾病、歯周組織の外科処置の結果として、都市をとると根面はしばしば口腔に露出し始めます。根面は酸に対して感受性が高く、ついてコラーゲンマトリックスのタンパク溶解様の破壊がおこります。フッ化物は、このタイプのう蝕を防ぐことが示されています。一度根面う蝕が形成された場合は、局所の口腔清掃を徹底することと、フッ化物応用が推奨されます。これは、唾液由来の象牙質硬化をもたらします。保存処置は、必要に応じてその後に行うようにします。