口腔乾燥症の病因と診断 ⑪

こんにちは、パーク歯科クリニック院長の中川です。

夏頃より庭でカナヘビが見つかるようになり、今では3匹飼育しております。なかなかかわいいので気に入っているのですが、問題は餌が生きているものしか食べないことです。休みは餌探しに追われ、家の周りの蜘蛛はほぼ食べつくした状況です。さすがにえさ不足はまずいので、ホームセンターにて餌用のコオロギを購入しました。食べつきは好調です!!

 

引きつづき、口腔乾燥症についてお話をしてまいります。

唾液は、1日に1~1.5リットルも分泌されるといわれております。唾液には、お口の粘膜の保護などさまざまなはたらきがあり、お口や歯をはじめ、私たちのからだ全体を守っています。

唾液は主に3大唾液腺、すなわち耳下腺、顎下腺、舌下腺でつくられます。

耳下腺はもっとも大きい唾液腺で、唾液の分泌量は2番目に多いです。おもにさらさらとしたしょう液性の唾液を分泌します。

顎下線は2番目に大きな唾液腺です。唾液の分泌量がもっとも多く、しょう液性の唾液と粘液性の唾液を分泌します。

舌下腺はサイズも分泌量も一番少ないです。しょう液性よりも、粘液性の唾液を多く分泌します。

ちなみに、しょう液性の唾液はさらさらしており、アミラーゼを多く含みます。粘液性の唾液は、ムチンを多く含むため、ねばねばしております。

唾液の働きとしてまず挙げられるのは、歯ぐきや舌などの粘膜を保護して傷つかないようにする、「潤滑作用」です。食べたりしゃべったりするのをスムーズにしているはたらきです。また、食物に含まれるデンプンを糖にかえる、「消化作用」も良く知られており、ご飯をよく噛むと甘くなるのはこのためです。さらに、怪我をしたらつばをつけておけば治る、といわれるのも、唾液に「抗菌作用」があるからです。

食べかすを洗い流してお口に残るのを防ぐ「洗浄作用」や、お口の中の酸性度(pH値)を正常に保って歯が溶けるのを防ぐ「緩衝作用」、唾液に含まれるタンパク質で細菌を集める「凝集作用」、最近をお口の中から排出する作用など、虫歯や歯周病から歯を守るはたらきもたくさんあります。

また、唾液内の糖タンパクにより歯の表面に形成されるペリクルは、歯を保護します。さらに、ペリクルはお口の粘膜を修復する成分も含んでおり、傷を治す作用もあります。

さて、最近お口の渇きが問題視されています。その大きな要因として、唾液の分泌低下が指摘されています。