口腔乾燥症の病因と診断 ⑫

こんにちは、パーク歯科クリニック院長の中川です。

先日、家の近くに城址公園でひがんばなのお祭りがありました。コロナ禍で行けていなかったので、家族みんなで見に行くことに。歩道から山の斜面まで真っ赤に咲き誇っていて、なかなか圧巻でした!

最近行ったなかったので気づかなかったのですが、コスプレイヤーが沢山きていて写真撮影を行ていました。ヒガンバナ鑑賞目的の方よりも多い印象でしたが、知らない間にスポットとなっていたのでしょうか?

引きつづき、口腔乾燥症についてお話をしてまいります。

口腔内外の有害物質に抵抗する主な因子の1つに、唾液分泌速度があります。唾液の一定の分泌速度は、有害物質を口から消化管へ流します。すなわち、余分な成分や細胞を一掃し、口腔表面に付着することを不可能にします。このクリアランスは、唾液凝集素 salivary agglutination によって起こりますが、この凝集素は糖タンパクであり細菌を大きな凝集塊にすることが可能であり、唾液によってさらに容易に洗い流され、嚥下されます。それゆえ、aggregationという用語は、しばしば agglutination と同義として使われています。最も強い凝集素 agglutinin は、高分子量糖タンパクであり、すべての大唾液腺から分泌されるヒト唾液から発見されており、少なくとも0.1μgで、100000000~1000000000個の細菌を凝集することができます。その他の唾液凝集素として知られているのは、ムチン(特にMDC5B)、フィブロネクチン、β2-ミクログロブリンです。

ヒト唾液中の主要な抗微生物タンパク質として、リゾチーム、ラクトフェリン、ペルオキシターゼ、アルグチニン、ヒスチジン、ディフェンシン、シスタチン、分泌型IgA、IgG、IgMなどがあります。これらの糖タンパクは一般的に、非免疫性(先天的)因子と免疫性(獲得性)因子に分類でき、後者は抗原刺激性免疫グロブリンといわれます唾液抗微生物物質と口腔微生物との間には4つの主要な相互作用が存在ます。すなわち、凝集、付着阻害、静菌作用あるいは殺菌作用、そして栄養障害です。抗微生物タンパクの機能は in vitro ではたくさん知られていますが、臨床的な関連性についてはあまりわかっておりません。口腔内微生物の過剰増殖を抑制することは重要でありますが、それらが病原体に対してどの程度選択性があるのかはまだ十分にわかっておりません。