こんにちは。パーク歯科クリニック 院長の中川です。
先日、家族と富沢にある地底ミュージアムに行ってきました。イメージとしては、縄文時代のことをたくさん展示してあり、子供の勉強にいいかもと思っていたのですが、意外とあっさりとした展示で、ちょっと寂しかったです。
今回は、刺激時唾液についてお話をいたします。
刺激時唾液とは、咀嚼や味覚による唾液、あるいはその他の一般的でない刺激、特定の薬物(ピロカルピンなど)や嘔吐中枢の活動などに反応して分泌されます。その分泌速度ですが、最高値の平均は約7mL/分と言われています。
次に、刺激時唾液分泌速度に影響を及ぼす要因ですが、
・機械的刺激: クエン酸による非常に強い味覚刺激に比べ程度は少ないですが、咀嚼行為は、たとえ咀嚼しているものに味がなくてもそれ自体が唾液分泌を刺激します。咀嚼は、口腔内の食べ物を混ぜるのに役立ちます。
・嘔吐: 唾液分泌は、嘔吐の直前および嘔吐中に増加します。分泌速度が増したことにより増加した緩衝力は、歯を胃液の侵襲から保護するのには不十分です。特に慢性過食症の人の場合、その傾向がみられます。
・味覚および臭覚刺激: 酸味は、4種類の基本的な味覚刺激の中で、他の塩味、苦味、甘味よりも、強力な刺激を有します。さまざまなの濃度のクエン酸で行った研究では、5%クエン酸での刺激により、唾液分泌速度が約7mL/分の最大値になることが分かっております。これに対し、臭覚による刺激は、味覚刺激に比べて唾液分泌に対する影響は小さいと考えられています。
・片側刺激: 習慣的に口腔の片側で咀嚼をしていると、味覚の刺激がなければ、唾液のほとんどが咀嚼側の唾液腺によって分泌されています。
・唾液腺の大きさ: 単一の唾液腺からの最大刺激時唾液分泌速度は、唾液腺の大きさと直接関連しています。しかし安静時唾液の分泌速度は、唾液腺の大きさとは無関係といわれています。
・年齢: 唾液分泌速度は、15歳以上の場合、年齢とは無関係といわれています。長い間、唾液分泌速は加齢とともに減少すると考えられていました。最近の研究によると、薬物治療を受けていない通常の健康な人々では、加齢は安静時でも刺激時でも唾液分泌速度にほとんど影響がないことが明らかになってきています。唾液腺の組織学的研究では、加齢とともに分泌細胞の割合が減少していることが分かっていますので、おそらく余剰の分泌細胞組織が腺組織に存在しているのでは、と考えられています。しかし、多くの高齢者は薬物治療を受けており、より多くの薬物を投与されればされるほど唾液分泌減少はますます顕著になってきます。