唾液腺の解剖と組織 2

こんにちは。パーク歯科クリニック院長の中川です。

家から少し離れていますが、岩沼にあるかなへび水神社にお参りをしてきました。金運をまつわる神様とのことで、3年続けてお参りをするとお金に困らないという言い伝えがあります。昨年お参りをしていたので、今年は2回目。来年は蛇年でもあるので、忘れずに3回目のお参りをしたいと思っております。

さて、今回は唾液腺の解剖と組織についてお話をしてまいります。

唾液腺の発生ですが、全て類似した過程を経て発達します。上皮は口かから内部へと成長して、外胚葉性間葉組織内へ深く広がり、分岐して腺のすべての機能部位を形成します。さらに、周囲の外胚葉性間葉組織は分化し、腺の結合組織構成要素、すなわち被膜と腺を分葉する線維性中隔を形成します。こうした発達は、4~12週の初期の胎生の過程でおこります。初めに耳下腺から発達し、最後に舌下腺と小唾液腺が形成されます。

耳下腺は、くさび形をしていて、唾液腺のなかで最も大きいです。耳下腺の基底部は、筋膜様組織と耳下腺被膜によっておおわれ、顔面表層、耳の前方から下顎骨の枝の後方に位置しております。耳下腺には顔面神経の末梢枝が密接に絡んでいます。

耳下腺菅は、厚い壁で覆われ、腺の小葉を通る小導管の結合組織によって作られています。耳下腺菅は、耳下腺の前縁からでて咬筋の外側を通り、中央を横切って内側に曲がります。顎をかみしめて、咬筋上を指で触れるとこの彎曲部を触知する事ができます。ちなみに、耳下腺の分泌液はしょう液性です。

次に顎下腺ですが、大きさはさまざまで耳下腺のおおよそ半分です。顎下腺浅部は、下顎骨と口腔底を形成する顎舌骨筋の間に位置していて、くさび形を呈しています。また、顎舌骨筋の輪郭のくっきりした後縁の辺りで彎曲し、口腔底で顎舌骨筋上に走行し深部へと続きます。薄い菅壁に囲まれた顎下腺菅は、舌側面と顎舌骨筋の間を斜めに走ります。そして、舌前下部にある舌小帯側部の舌下小丘で口腔底に通じています。分泌液は、粘液性としょう液性の混成です。

舌下腺は、顎下腺の約1/5の大きさで、1対の大唾液腺の中で最も小さいです。舌下腺は、舌下ひだの下にあり、多数(8~20個)の小唾液腺菅が舌下ひだ上部で口腔に開口します。舌下腺は、主に粘液を分泌する腺です。

小唾液腺は、主に粘液を分泌する小さな粘液腺で、舌の側縁、口蓋の後方、頬粘膜、口唇粘膜に存在します。