唾液腺の構造と唾液の生成 2

こんにちは。パーク歯科クリニック 院長の中川です。

先日、近所にある太陽の村に家族で行ってまいりました。見晴らしの良い公園で、遊具もあり子供連れには最適です。そこで、息子がトノサマバッタを捕まえました!実際に生きたトノサマバッタをみるのは自分が幼稚園以来なので、びっくり!大きくて、迫力のある姿にほれぼれしました。

さて、今回は唾液腺の構造と、唾液の生成についてお話をしてまいります。

まず唾液腺の構造ですが、唾液腺組織の機能部は終末部(腺房)と枝分かれした導管系からなります。耳下腺のようなしょう液腺では、終末部の細胞はおおよそ球面形に配列されています。粘液腺では、多くは中心がより大きな菅腔となった管状構造を有しています。しょう液腺、粘液腺ともに、導管系の始まりは部分は、終末部の細胞が菅腔を囲んでいます。すべての唾液腺は3種類の導管を有し、唾液は扁平上皮と狭い菅腔からなる介在部導管を通過したのちに、内側をミトコンドリアの多い円柱の細胞によっておおわれた線条部導管にはいり、最終的に排出部導管を通過します。終末部の排出部導管では、導管を囲む円柱の細胞は重層扁平上皮となっています。

終末部は、粘液細胞、しょう液細胞、またその混成になっていることがあります。唾液腺は、この種の終末部のさまざまな混成からなっています。混合腺において、粘液を分泌する腺房は、しょう液半月によって覆われていて、そのうえ筋上皮細胞が終末部を囲み、導管系に分泌を促進する際、助けるはたらきをしています。腺とその神経と、その血管供給は、間質結合組織によって支えられています。

唾液は、唾液腺の終末部(腺房)で、しょう液腺細胞がしょう粘液を、粘液腺細胞がムチンを豊富に含んだ粘液を分泌して作られます。これらの唾液の元となっている原唾液は、毛細管の血管から間質液として生じ、終末部細胞で調整され、菅腔に分泌されます。菅腔からイオン交換が起こる導管系を通過し、導管で等張性溶液から低張性のものに変えられます。唾液の構成は排出部導管でさらに変化し、最終的に口腔内に分泌をされます。

唾液腺への血液供給は、分泌にも影響します。唾液の迅速な分泌には、大量の血液供給が必要です。イオン交換の起こる場所である線条部導管の周りには毛細血管が集中している一方、分泌腺房の終末部では血液を供給する毛細血管の密度は小さいです。唾液分泌の過程では、血管を間接的に拡大し、必要に応じて更なる栄養補給を行っていきます。