口臭が生じる仕組みと原因

こんにちは。 院長の中川です。

僕も小さい頃に、虫取りに夢中になった時期がありました。今は、息子がまさにその年頃!今年こそはクワガタを捕まえて、家で飼おうってことになっています。ただ、近くのどのあたりに生息しているのか、情報収集中です。

さて、今回は口臭についてお話をさせていただきます。

まず口臭とは、口から出る息のにおいで、他の人にとって不快に感じられるものです。自分自身では慣れてしまって分からない場合が多く(臭覚の順応といいます)、周りから指摘されて気づく場合や、周りの人のしぐさから自分に口臭があると思い込んでしまう場合があります。

原因は、主にお口の中の舌苔やプラークで、それらが原因の口臭を 「生理的口臭」と分類しています。朝起きたときや空腹時、疲労時、緊張して口が渇いたときに感じる口臭、女性における生理時の口臭、加齢による老人性口臭などが挙げられます。新陳代謝で古くなってはがれた粘膜などのタンパク質を、舌苔やプラークの中にいる細菌や微生物が分解すると、口臭のもとになるガスが発生するのです。

一方、全身の健康状態や生活習慣とも関連しているものもあり、歯周病などのお口の病気や、糖尿病などの全身の病気などによって起こる口臭は 「病的口臭」と呼ばれています。

口臭の測定方法ですが、専用の機器を使って測定する方法と、歯科医師または歯科衛生士の鼻で判定する方法があります。それぞれ、ヒトが 「臭い」と感じるか否かの基準があり、客観的方法で測定します。

口臭専門外来では、ガスクロマトグラフィーや口臭測定機器という器械をつかって口臭を測定します。息に含まれる硫化水素やメチルメルカプタン、硫化ジメチルの濃度を測定し、それぞれの成分に定められた口臭の基準で判定します。

また、器械を使わず検査者の臭覚で判定する 「口臭官能検査」もあり、口臭を客観的に評価するゴールドスタンダードとされています。においの感知には個人差があるため、2人以上の臭覚が正常な者によって評価した方が正確です。

他にも、むし歯や歯肉炎・歯周炎の検査、プラークの付きぐあい、舌苔の付きぐあいもチェックします。舌苔のチェックは、舌を前に突き出していただき、奥のほうも観察します。舌苔の色(白、黄色、褐色、黒)や厚さ(薄い、中程度、厚い)、面積をチェックします。これらの測定や検査の結果を総合的に判断します。